モハメッド・アブデルミギード氏が目指す理想の公民館とは?

エジプトで日本の公民館と同じような機能を持つ場所を作る活動を始めたモハメッド・アブデルミギード氏。

彼が追い求める理想の「公民館」についてインタビューをしてきました。

日本とは文化も宗教も環境も違うエジプトで、

公民館をどのように広めていきたいのか。

そして、彼が目指すエジプト人のニーズに沿った公民館とは。

モハメッド・アブデルミギード氏が語った熱い思いを最後までご覧下さい。

貧富の差に関係なくお互いに学びあえる場所を目指す

エジプトは、貧富の差が激しく、宗教の影響も強いです。

エジプトのモスクや教会で行われる活動は日本の公民館での活動と似ています。

それらはいずれも宗教による縛りがあるため、同じ宗教の信者しか集まれず、他の宗教の信者は同じ地域に住んでいてもそこに参加できません。

また、神様の前では、貧富の差に関係なく平等に祈りを捧げますが、学習施設では、そうではありません。

学習施設でも貧富の差に関係なくともに学ぶことができるのではないのでしょうか?

貧富の差に関係なく、彼らの経験には価値があります。

学歴があって社会的地位が高いから素晴らしい経験をしているとかではなく、学歴がなくても彼らの経験には素晴らしい価値があるのです。

その経験を社会階級に関係なく共有できる場こそ公民館だと考えています。

しかし、現実には厳しい問題が、、、

エジプトでは、階級意識が浸透しています。

実際に社会階級に関係なくともに学ぶ場所を作れるか?

と問われると言葉を失ってしまいます。

グローバル公民館の活動を通して、少しずつ輪を広げ、わたしの子供や孫の世代に実現できたらと思っています。

先進国から学ぶだけではなく発展途上国からも学べる

先進国には、先進国の経験があります。

発展途上国には、発展途上国の経験があるのです。

いつも先進国から学ぶのではなく、発展途上国から学ぶこともあるはずです。

祖先は私たちに多くの知恵と教訓を残してきました。

私たちもそれぞれの立場や視点からお互いの経験や知識を語り合い学ぶことで、新しい教訓を後世に伝えていく、残していくことが大切ではないのでしょうか?

その役割を果たすことが出来るのが公民館だと考えています。

グローバル公民館は、経験を伝える舞台になる

人の数だけ経験があります。

それはすべて同じではありません。

しかし、発表する場、伝える場がなければその貴重な経験を知恵や教訓として残すことができません。

社会階級に関係なく、伝える場をつくり、経験や知恵を共有しお互いに学び合うことが、子どもの世代、また孫の世代に至るまで地域社会を作っていくことに大きく貢献すると思います。

グローバル公民館は国境を超えて世界住民がお互いの経験を伝える場(舞台)を提供していきたいと思っています。

実際に伝える場(舞台)を準備して経験を発表して欲しいと依頼すると、

実際に伝える場(舞台)を準備して経験を発表して欲しいと依頼すると、

「わたしに話す資格があるのでしょうか?私には素晴らしい経験がありません。専門家でもありません。」

という答えが返ってきます。

わたしは、いつもこう答えます。

「心配しなくても大丈夫です。あなたには十分な資格があります。人前で経験を伝えることは、専門家だけに限られているのではなく、だれでもできることなのです。あなたがした経験は、あなたにしか語れないのです。」

エジプトにあった理想の公民館とは

エジプトにあった理想の公民館は宗教、国籍、人種、男女、職業、貧富の差に関係なくみんなが行きやすい場所です。

グローバル公民館でお互いに学び合ったことが、知恵となり教訓になっていく。

そして、後世に伝えていくこでエジプトを、世界を、良くすることにつながるのではないかと思っています。

すべての地域の人たちが同じ場所に集まり、違う立場(仕事、年齢、宗教等)から1つの課題(目的)について、話し合いそれぞれの違う視点から意見をし、学び合うことが新たな発見や価値に繋がると信じています。

グローバル公民館という活動を続けていくことが、相互理解へと繋がり世界平和に貢献できると思っています。

そして、この活動を後世に残していきたいと思います。

よりよい地域社会をつくっていくためにともに学んでいきましょう。

この記事を書いた人

りむ

沖縄県出身エジプト在住。
小学生の頃から常に夢をもち、目標設定を繰り返しながら人生を切り開く生き方を貫く。
「何歳になってもチャレンジできる。学ぶことに終わりはない」をモットーとし、子育てをしながら日本とエジプトの架橋「グローバル公民館」や個人メディア「りむラボ」を運営している。