アインシャムス大学教育学部で、エジプトの大学で初となる特活講座を行いました

エジプトのアインシャムス大学教育学部で特活講座を行いました。エジプトに導入された特活(日本の特別活動)についての基本的な知識や実践例などを紹介しながら特活を学びました。

エジプトに派遣され現地の学校で活躍されている7名のJICAボランティアの方々に協力していただき、2019年2月から4月までの週末を利用して合計14回の講座を実施しました。この講座には、教育学部の学生や新人教師、教育の研究者、日本式教育に関心のある保護者など、70人以上が参加しました。

3つのコースがありそれぞれ休まず出席した方には証明書が発行されました。

それではその様子をご覧ください。

講座の概要

開催日:2019年2月から4月まで合計14回

参加者 :教育学部の学生や新人教師、教育の研究者、日本式教育に関心のある保護者など

場 所: 国立 アインシャムス大学教育学部

体育の授業の様子

全人教育から始まった講座では、体育、美術、音楽、平和教育などの科目の指導方法を実際に子供達に教えながら学んでいきました。

楽しむ➕(協力、友達、考える)をテーマに分かりやすい説明の後に外に出て実際に授業をしました。

週末を利用して子供と一緒に学べるこの講座には沢山の親子が参加して賑やかな講座になりました。

この日は3人のJICAボランティアに手伝っていただきました。日本の遊びをアラビア語にアレンジした授業は、学びながら楽しめる内容でした。

子供達に負けないように真剣になる大人達。子供の頃にかえったように楽しみながら学んでいました。

この講座で学んだ先生方が自分の学校で取り入れて実践したと報告してくれました。

美術の授業の様子

美術の授業では、利き手じゃない手で向かいの方の似顔絵を書いたり、目を閉じて絵を書いたりしながら授業が進んでいきました。

同じ絵でも見る人によっては、違った視点があることやどういう気持ちで描いたかなどを参加者が考えながら授業が進んでいきました。

この授業の後でSNSグループ内での会話が面白かったです。

目を閉じて絵を書いた時、どんな風景が見えたとか、ストーリーを語ったりしていました。その内容がとても興味深く、まるでセラピーのようだったという方もいました。

親が学んでいる間に子供達は日本語のお勉強

子供達との実践講座が終わったあと、両親が講義を受けている間、日本語のお勉強をしました。

覚えた日本語を実際に使ってJicaボランティアの先生と会話をする子供達。学びを実践してくれました。
授業では、自分の名前を日本語で書いたカードをプレゼント。数年後に自宅で発見されたこのカードがこの日のことを思い出すきっかけと日本に興味をもってくれることを密かに願っています。

講座を通して、参加者に一番影響を与えたのは、JICAボランティアの態度や行動でした。

講座の始まる前と終わった後に、教室に落ちているゴミを拾い椅子を並べる姿やコーヒーがこぼれてしまった時に協力して直ぐに対応する姿から参加者は、自然に学んでいました。

そして、特活については教えるよりも実際に態度や行動を見て学ぶことが効果的だと実感しました。講座の最終日には、参加者たちが自ら進んで協力し片付けをするようになりました。

最後に

日本人の経験をエジプト人に伝える機会を提供するのもグローバル公民館の役割の一つです。

そして、その経験や学びを家族や身近な人、地域社会に伝えていく。コツコツ続けていくことで、より良い社会、世界へ変わっていくと信じています。

また、参加者の皆さんや、特活に取り組んでいるエジプトの先生方がJICAボランティアのように良きモデルになることができたら、エジプトの学校や地域社会により大きな影響を与えることができるようになると思います。

学びの輪が広がって、誰にとっても優しい社会になりますように。

この記事を書いた人

りむ

沖縄県出身エジプト在住。
小学生の頃から常に夢をもち、目標設定を繰り返しながら人生を切り開く生き方を貫く。
「何歳になってもチャレンジできる。学ぶことに終わりはない」をモットーとし、子育てをしながら日本とエジプトの架橋「グローバル公民館」や個人メディア「りむラボ」を運営している。