「公民館で実際に活動をしたい。」
そんなモハメッド・アブデルミギード氏の夢を叶えてくれたのが繁多川公民館です。
初めての講座のテーマは、「いちゃりばちょーでー」
沖縄の言葉で「一度会ったら皆兄弟」という意味です。
いじめや差別は、どこの国でもなくなりません。
見た目の違い、文化の違い、意見の違いを認め、お互いを尊重し共存するためにできることは?
講座は、エジプトに住んでいる日本語が話せるエジプト人とテレビ会話を通して行いました。
その講座から5年後の2018年1 月6 日。
エジプトに帰国したモハメッド・アブデルミギード氏と、繁多川公民館の共催でグローバル公民館講座が行われました。
今回は、この講座で発表のあった「繁多川公民館の役割とグローバル公民館に期待すること」をご紹介します。
繁多川公民館 館長 南 信乃氏の紹介
沖縄県那覇市出身。京都精華大学入学、環境社会学科で市民参加まちづくりの基礎を学ぶ。
繁多川公民館は、文部科学大臣優良公民館表彰受賞、地域再生大賞優秀賞受賞、朝日教育のびのび賞。
平成26年3月より特定非営利活動法人1万人井戸端会議を設立。
同年4月より那覇市繁多川公民館の一部業務受託団体となり、平成27年4月より指定管理者。現在、繁多川公民館館長。
繁多川公民館のある地域特性
私たちの公民館のある地域は、日本の中でも最南端の海に囲まれた沖縄県にあります。
平均気温23度(エジプトカイロ21.8度)の日本で最も温かく、亜熱帯の気候で育まれた自然が豊かな場所です。最近は特に観光地として多くの方が訪れる場所になっています。
公民館は、その中でも一番大きな都市である那覇市東方にあります。
繁多川公民館の概要
日本では公立公民館の体制は条例で定められます。那覇市では32万人の人口で7館の公民館があります。
3F建ての1Fが図書館、2F3Fが公民館となっており、部屋が5つあります。年間利用者は約61,000人。約10万人の居住区が私たちのエリアとなります。
そこでは部屋を活用しての趣味や運動、芸能、文化活動を行うサークル活動の他、地域に今、必要な講座を企画し実行する機能もあります。
その中には学校の授業と連携したものもたくさんあります。
近年、求められる役割
昨今の日本の地域社会では都市部への人口集中や転勤などの移動の多い暮らしにともない、伝統的なコミュニティが弱まり、住民同士の関係性が薄くなったと言われます。
そのような中、少子高齢化が進み、様々な課題が出てきています。求められるのは、子どもたちに多くのチャンスを平等に与えるコミュニティ、高齢者が生きがいを持ち支え合えるコミュニティ、災害時や非常時にも機能するコミュニティです。またそれが持続可能であることが重要です。
公民館はそれらを地域の文化や誇りを大事にし、世代を繋ぎながら住民が主体的に実行するアプローチを担います。
グローバル公民館に期待すること
公民館の目的からするとローカル活動で完結すると思われるかもしれませんが、グローバル公民館には強く共感しています。
なぜならこれからの地域社会を平和で持続的なものとするためには、ローカルで培われる歴史文化や誇りと、グローバルな交流が必要です。
私たちは、互いの違いから互いを認め、いいところを伸ばし、改善するところを自分たちなりに高めることができます。
地域の資源や人、魅力を世界の人々に還元する力を養うことができるのです。
私が、ギド(モハメッド・アブデルミギード)さんとの出会いから日本の公民館の可能性に気づかせてもらったように、多くの方々がグローバル公民館から新たな地域社会を創造するオアシスとなることを期待しています。
まとめ
今回、紹介した繁多川公民館では、様々な講座を実際に運営することで、色々なことを学ばせてもらいました。
沖縄の繁多川公民館との連携講座の予定は、以下をご確認ください。
繁多川公民館(沖縄)との共催講座 全4回
- 第1回目「エジプトと日本の小中学校の先生が語る“学校での経験”について」2018/1/6 開催終了
- 第2回目「エジプトと日本のお母さんについて」2018/1/27 開催予定
- 第3回目「エジプトと沖縄の空手について」2018/3/3 開催予定
- 第4回目「エジプトと日本の文化について」 調整中
今後は、日本全国にある公民館とも関係を深めていきたいと思っています。
あなたの身近な公民館でグローバル公民館講座を開催してみたい方は、ぜひご連絡下さい。
>>>エジプト人のモハメド・アブデルミギード氏が語るグローバル公民館の誕生秘話!