大盛況!エジプト初のグローバル公民館講座「エジプトと日本の幼稚園の違いについて」

エジプトでグローバル公民館講座?

何やらおもしろい取り組みを始めるエジプト人がいるとの噂を聞きつけて早速参加してきました。

会場内には大勢の参加者の姿。

事前の案内によると、インターネットを使って日本の幼稚園の先生に「エジプトと日本の幼稚園の違いについて」お話をしてもらうとのこと。

講座が始まると熱心にメモを取るエジプト人。

その真剣な姿に、エジプトをよりよい国に変えていきたいという熱い思いを垣間見ることができました。

今回は、エジプトで開催された初のグローバル公民館講座についてご紹介します。

講座の詳細

開催日: 平成29 年12 月25 日(月曜日)

講座名: 日本とエジプトの幼稚園の違いについて

講座内容:エジプトで12年間日本の幼稚園を運営していた小松原先生が、日本とエジプトの幼児教育の違いについてインターネットを通して紹介

講座の対象者:保育園又は幼稚園の経営者、先生、これから幼稚園を設立したい方

開催場所:Qalam association for comprehensive development 首都カイロ(カッタメイヤ)

講師名:小松原先生

参加人数:45人(内日本人12名を含む)

将来を予測することが困難な時代を生きる子供たちに必要な教育とは?

ギド
・あなたの祖父母の職業は何でしたか?
・あなたの職業は何ですか?
・あなたの息子や娘の職業はどうでしょう?推測することができますか?
・数十年後、あなたの孫の職業は何ですか?

とモハメッド・アブデルミギード氏が参加者に問いかけました。

私たちは、祖父母や両親の職業を知っていても、20年後の息子や娘の職業、更に数十年後の時代にある孫の職業を知ることができません。

私たちが受けてきた教育が、今後も役にたつのかは誰も知ることができません。

数十年後の職業を推測して、教育を行うことは、まるで暗い部屋で見えないものを準備するようなものです。

彼らに今私たちが教えられることは、“生涯学習(自己に適した手段・方法を自ら選んで、生涯を通じて行う学習方法”ではないのでしょうか?

公民館講座「エジプトと日本の幼稚園の違いについて」

「エジプトと日本の幼稚園の違いについて」説明して頂いたのは、エジプトで12年間日本の幼稚園を運営されていた小松原先生です。

インターネットを通して講演がスタート。

小松原先生のお話をモハメッド・アブデルミギード氏がアラビア語に通訳しながら進んでいきました。

先生は12年程前に、エジプト(首都カイロ)で遠い外国で過ごす子どもたちに、少しでも日本と同じような、楽しく・安全な空間を!という思いで、「日本人幼稚園」を作りました。

2歳半から6歳の子どもたちが毎日一緒に生活する、縦割り保育の小さな幼稚園です。

エジプトの幼稚園を始めるにあたり、現地の幼稚園を見学し、教育の考え方の違いを実感しました。

先生の資格について

日本の先生はライセンスを取得しています。

エジプトでは、園長先生はライセンスを取得していますが、現場の先生はライセンスがなくても、子どもが好きなら誰でも出来るということでした。

小松原先生
専門に勉強した人が子どもの前に立つのと、そうでないのでは、子どもに及ぼす影響がとても大きいと思いました。

子供の生活環境

日本では毎月、壁面を先生がつくり、雰囲気作りをおこないます。その壁面から子供は季節感を感じています。

また、空いた空間には子供達の作品を展示し、友達からの「すごいね」という言葉に刺激を受けます。

エジプトの幼稚園は、ディズニーのステッカーが数枚壁に貼られており、手作りのものは全くなく、寂しい感じでした。

子どもの作品等は全く目に入りませんでした。

言語指導について

Pという文字が大きく書かれたA4用紙に、ポップコーンをボンドで貼り付けるという作業が始まりました。

作業の途中からポップコーンを口に持っていく子どもが増えていきました。(幼児であれば当然のことだと思います。)

小松原先生
あくまでも食と制作は一緒にはならないと思ったと同時に驚きました。

小学校に折り紙の指導にいったときの出来事

インターナショナルの小学校に折り紙の指導にいったときの出来事は、凄く驚いたことの一つです。

小学校の高学年の子供にとても簡単な折り紙を指導したとき、分からなくなった子供の口から飛び出した言葉は「やって」でした。

日本の子供が「やって」と口にだす年齢は2歳くらいまでです。

日本では、小さい頃から自分で考える力を養っていくので「どうやるの?」「教えてください」と表現します。

日本の幼稚園の3つの魅力について

  • 幼児を取り巻く環境を大事にする

日本の幼稚園では、前にお話したように、毎月壁面を保育者が作り装飾します。季節感を感じてほしいという思いもありますが、子どもの生活空間を楽しい雰囲気にすることがとても大事だと考えています。

また、空いている空間には、子どもの作品を展示し、子ども同士が視覚をとおして刺激し合うのです。その影響はとても大きいと思います。

  • 幼児のこころを大事にする

教育要領でうたっているように、5領域における目的・指導内容等、細かく記述されています。

特に、【表現】に関しては、とても大事にしています。中でも、音楽面では、うたに関して昔からの四季のうた・リズミカルなうた(エジプトでは子どものうたがほとんどありません)それに、絵画面では、言葉では表現できないことを絵で表現することにより、保育者は子どもの内面を読み取ることが出来ると思います。

そして、体育面では、心身共に鍛えるということで、体育に力を入れている所が今現在とても多いと思います。

単に、体だけではなくて、頑張る!という精神面でこの体育指導は幼児期にとって、とても大きいことだと思います。

この音楽・絵画・体育の三つは、こころを育てるという面で、とても大事なことだと思います。日本の教育では、この情操面をとても大事にしています。

そのことにより成長するに従い、物事のとらえ方・創造力に大きな違いがでてくるのではないでしょうか。

園生活の中で習得すること
教育要領の中での指導により、いわゆる技術面ではその年齢・発達段階で準じた指導がなされます。

もちろん、とても大事なことだと思います。

それ以上に、幼稚園という子どもにとって、親元を離れて初めての社会、友だち・保育者との関わりの中から、善悪の判断やルールを守ることの大切さ、いたわりや思いやりなどの道徳性を培われるという点では、とても大きな役割だと思います。

喧嘩の仲裁について

エジプトでは、よく子供同士の喧嘩を見かけます。その際、バスバス(やめて、やめて)と言って子供たちを突き放し、あなたが間違えているので、謝りなさいといいます。

子供は訳も分からず謝ります。これでいいのでしょうか?

大人の目で見てどちらが悪いのかは分かりますが、その判断を大人がするのではありません。

お互いの言い分をその場で話してもらいます。

その中で、保育者が疑問を投げかけ子供に考えさせればいいのではないでしょうか?

必然的に子供は自分の間違いに気づくと思います。

そこで初めて自分の間違いに対して相手に謝ります。

時間はかかりますが、そういう積み重ねを行う中で、子供は自分で考えるということを学ぶのではないのでしょうか?

エジプトと日本の幼稚園の違いについてのまとめ

子どもの置かれている状況を踏まえた上で、教育を考える必要があると思います。親元を離れ社会である幼稚園に入ることで、子どもは人の話を聞いて考え理解するということを習得します。

幼児期は、その回路をつなぐ時期だと思います。

子供は、指示をすればやることができます。指示ではなくて、自分で考え答えを引き出すことがとても大事ではないでしょうか?

改めて、バランスの取れた教育を受けるということにより、心身共にいい状態で成長し、それがその子の根となり後々も続いていくということを実感しました。

子どもはどの子も何も変わりません。ただ、その子どもを取り巻く環境が違うだけで、これほど変わってしまうのでしょう。

特に、人格形成の上で大事な幼児期、バランスのある教育を受けることが、その子が成長していく上で、とても重要な要因になると思います。

参加者の声

参加者の声
・日本の幼稚園について深く知ることができた。
・日本の幼稚園の指導方法について知ることができた。
・日本の幼稚園について学ぶ勉強会を毎月開催したい。
名前
・時間通りにちゃんと終わったことが素晴らしい。
・チームワークがしっかりしていて、講座の運営がスムーズに行われていた。
名前
・公民館についてのアイディアが素晴らしかった。
・異文化交流に言語が大切だと思った。
・次回の講座にも参加したい。

日本人専門家の方からは「政府に頼らず活動していることが素晴らしい」と嬉しいお褒めの言葉。

また、実際にエジプトの幼稚園でエジプト人を指導しているボランティアの方からは「日頃感じていることを小松原先生が言語化して分かりやすく説明していたので、今後の活動のヒントになった」という感想を頂きました。

グローバル公民館講座のまとめ

今回の講座は、公民館をエジプトで広めるためのネットワーク「ラーニングプラネット」と会社の研修プログラム運営や、本を出版している「PMEC」そして、エジプトの総合開発を支援する「Qalam 」の協力のもと開催されました。

平日に開催されたにもかかわらず、自分の国を、国民を、家族をより良い方向へ導きたいと行動をおこし会場まで足を運んでくれた多くのエジプト人。

メモを取りながら熱心に話を聞くその姿に心を打たれました。

質疑応答では、幼稚園教論の資格取得をとるための方法や、保護者と先生の関わり方、道徳教育の仕方について小松原先生に質問が投げかけられました。

講座の後のコーヒータイムでは、幼稚園の経営者からの視点、先生からの視点、親からの視点で、参加者同士が積極的に自分の考えや、意見を述べて交流していました。

第2回目のグローバル公民館講座は1月6日に行われます。

今後もグローバル公民館の活動をレポートし伝えていきたいと思います。

次回の講座レポートをお楽しみに!

グローバル公民館講座の参加者の声はこちら>>>

繁多川公民館(沖縄)との共催講座 全4回

>>>ジプトで始まったグローバル公民館とは

>>>エジプト人のモハメド・アブデルミギード氏が語るグローバル公民館の誕生秘話!

この記事を書いた人

りむ

沖縄県出身エジプト在住。
小学生の頃から常に夢をもち、目標設定を繰り返しながら人生を切り開く生き方を貫く。
「何歳になってもチャレンジできる。学ぶことに終わりはない」をモットーとし、子育てをしながら日本とエジプトの架橋「グローバル公民館」や個人メディア「りむラボ」を運営している。