エジプトカイロ県にある国立アインシャムス大学の地域づくりセンターの協力のもと「地域づくりセンターの役割について」のセミナーが開催されました。
エジプトにある各地域づくりセンターや地域づくりに関わる関係者のエジプト人を対象に日本の公民館の役割について紹介しました。
またエジプトの地域づくりセンターでどんな活動をしているか紹介して頂き、お互いの活動から共通点や違いを学びました。
エジプトと日本の環境は大分違いますが、お互いの取り組みから学ぶことができました。
それではセミナーの様子をご覧ください。
セミナーの詳細
開催日:2018年9月3日(月) 14時~16時
内容 :地域づくりセンターの役割について日本の公民館の事例から学ぶ
参加者 :大学教員、 大学の各センターの関係者、学生、 研究者、NPO関係者等
ゲスト:南信乃介(NPO法人1万人井戸端会議 代表理事・那覇市繁多川公民館 館長)
西山佳孝(東シナ海の小さな島ブランド株式会社・自治と公共空間など研究からアドバイザー等)
イブラヒム・エルサムニ博士(沖縄国際大学教授・沖縄在住40年のエジプト人)
場所:国立アインシャムス大学(エジプト・カイロ県)
参加費:無料
繁多川公民館の取り組みについて
繁多川公民館 館長 南さんが、繁多川公民館での取り組みについて紹介しました。
繁多川の地域の説明に始まり、繁多川の地域の問題や困りごとをどうやって解決していったのかを事例とともに紹介しました。
繁多川公民館の南さんはまず地域住民に対して困ったことや問題がないか聞き取り調査を行ったそうです。
その結果以下の問題が見つかりました。
- 昼休みにお昼ご飯を食べない→子どもの貧困率 29.9%
- 独居高齢者の孤立 孤独死 →2か月に一回程度の見守り
- 地域の担い手不足 → 自治会加入率20%
- 消防車、救急車入れない。火事あり。 → 住宅密集地で勾配がきつい
その問題を解決するために
- 地域の見守りや支え合いで支援を必要としている子ども達の居場所づくりに取組んでいる。事例:いどばたごはん会
- 高齢化が進む中、世代を超えて地域で支え合う仕組み作り。 事例:高齢者が一人で住む部屋を学生の下宿先として提供してもらい、高齢者の見守りや生きがいづくり。学生にとっては金銭的負担の軽減と安心できる生活環境が守られる。
- 地域の豊富な人材を発掘・活用する「すぐりむん認定」など
様々な活動に積極的に取り組んでいます。
グローバル公民館に期待すること
公民館の目的からするとローカル活動で完結すると思われるかもしれませんが、グローバル公民館には強く共感し ています。
なぜならこれからの地域社会を平和で持続的なものとするためには、ローカルで培われる歴史文化や誇りと、グローバルな交流が必要です。
私たちは、互いの違いから互いを認め、いいところを伸ばし、改善するところを自分たちなりに高めることができます。
地域の資源や人、魅力を世界の人々に還元する力を養うことができるのです。
私が、ギドさんとの出会いから日本の公民館の可能性に気づかせてもらったように、多くの方々がグローバル公民館との出会いから新たな地域社会を創造するオアシスを見つけられることを期待しています。
日本の公民館も変わらなくてはいけません。
公立公民館は平成11年の18,257館から減少し、 平成27年には14,171館となり、利用者も減少しています。
少子高齢化が進む中、行財政改革を乗り越えて市民に求められ、時代を切り開く公民館の在り方が問われています。
エジプトの長い歴史から培ってきた教育や教訓から学びあえるグローバル公民館は日本の公民館の再生のヒントになることでしょう。
グローバル公民館について
グローバル公民館の代表モハメッド・アブデルミギードさんが
- グローバル公民館とは何か?
- エジプトに必要な協力と実現について
- エジプトの地域づくりセンターで日本の公民館をどのように活かすことができるのか?
- エジプトの地域づくりセンターと日本の公民館の共通点について
について話しました。
>>>エジプト人のモハメド・アブデルミギード氏が語るグローバル公民館の誕生秘話!
公民館との関わりやエピソード
イブラヒム先生が公民館との関わりや日本でのエピソードを紹介しました。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
アインシャムス大学の地域づくりセンターについて
アインシャムス大学の地域作りセンターの担当者が地域づくりセンターの目的や活動について紹介しました。
各大学にある地域づくりセンターは大学と大学周辺の地域を結ぶことが主な役割になっています。
日本の公民館と役割は似ている部分がありますが、取り組みに違いがあると話していました。
最後に
今回のセミナーには約60名の方々が参加しました。
グローバル公民館の活動や日本の地域づくりの取り組みを多くの人に知ってもらう良い機会になりました。
今後も大学の地域づくりセンターと協力して、様々な学びの機会を提供していきたいと考えています。
今後の取り組みをお楽しみに!